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≪Blog≫「大丈夫」は大丈夫じゃない!!~外国人従業員とのコミュニケーションで気をつけるべきこと~

「大丈夫」は大丈夫じゃない!!
~外国人従業員とのコミュニケーションで
気をつけるべきこと~

技能実習生や就労目的で来日する外国人の多くが、
日本語での会話がままならない状態で日本にやって来ます。

ですが、日本語が苦手でも誰もが真っ先に覚える表現が
1つあります。

それは、「大丈夫」です。

日本人があまりにも多用しており1日に何度も耳にするため、
この語彙の響きをすぐに覚えます。
そして、日本人から「大丈夫?」と問いかけられた時は特に、
元気よく「大丈夫!」と答えるようになります。

確かに、「大丈夫」は日本人にとって非常に便利な言葉で、
以前は相応しくないとされていた仕事の場においても
発する人が増えてきたと感じます。

しかし、「大丈夫」は、外国人とのコミュニケーションにおいて
注意しなければならない語彙でもあるのです。

ここで例文をいくつか挙げます。

1. 体調は大丈夫ですか。― 大丈夫です。
2. 時間は大丈夫ですか。― 大丈夫です。
3. 明日電話しても大丈夫ですか。― 大丈夫です。
4. 質問は大丈夫ですか。― 大丈夫です。
5. 袋は大丈夫ですか。― 大丈夫です。

日本語母語話者であれば、1は「体調は良い?―良い。」
2は「時間はある?―ある。」、3は「明日電話してもいい?―いい。」
など、一目見ただけで文意を理解できますが、来日したばかりの
人にとってはどうでしょうか。

さらに4と5。
1~3は問いに対してYESという意味で使われていますが、
4・5は「ありません」「いりません」=NOを伝えるために
「大丈夫」が使用されています。

同じ言葉なのに文脈や場面によって色々な意味で捉えられ、
それだけでなくYES/NOと正反対の表現にさえ変身して
しまう「大丈夫」は、日本語や日本の生活に馴染みのない人に
とって、本来であれば理解しがたい語彙のはずです。

つまり、外国人(特に日本語初級者)が用いる「大丈夫」には
さほど意味が込められておらず、“日本人がよく使っている相づち”
程度としか考えられていない場合が多いのです。

1~3の場面で「大丈夫」という返事を聞くと、日本人は相手が
同意してくれたと安心してしまいます。
ですが、上記の理由から外国人の「大丈夫」は、本当は大丈夫では
ない可能性が高いため、油断は禁物です

職場の外国人と正確に意思疎通を図りたい場合は、「大丈夫」の
使用を避けることをおすすめします。

例えば、
1. 体調は大丈夫ですか。
「体調は良いですか。」あるいは「体調はどうですか。」

と言い換えて質問し、「大丈夫」という返答が来ないようにします。
万が一、相手が「大丈夫」と答えた場合は、「良い?」「元気?」など、
状態の言葉を用いて再質問し、相手の本当の状態を聞き出すことが大切です。

日本人とのコミュニケーションをやり過ごすという意味において便利な語彙
ですので、つい「大丈夫」に逃げてしまいます。
(日本語母語話者にとっても同じことが言えるかもしれませんが・・・)

日本語は世界一のハイコンテクスト言語文脈や場面から意味を捉える
必要のある言語だとされています。

実際、日本語には「大丈夫」だけでなく、「どうも」「お疲れさまです」など
意味が玉虫色のように変化する曖昧な言葉が数多く存在します。

日本語母語話者は文脈から意味を捉えることに慣れていますが、
外国人はそうではありません。

コミュニケーションに行き違いが生まれないよう、具体的な言葉で
やり取りする事を、外国人就労者を受け入れる側は実践する必要が
あるのです。

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