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≪Blog≫「技能実習生の半数超が来日前に借金」~出入国管理庁の調査から見える現実~

こんにちは。株式会社Futaba事務局です。

 

7月29日午前の記者会見で、古川禎久法務大臣(当時)が技能実習制度の抜本的な見直しについて言及し、

新聞各紙やテレビニュースなどで大きく報道されました。

この際に発表された論点の中には「不当に高額な借金を負って来日する実習生の存在」も含まれていました。

借金の理由として第一に挙げられるのが、母国の送出機関への支払いです。

 

〇 送出機関と費用

送出機関は、日本での技能実習を志す若者を募集し、日本語や日本での仕事、生活などに関する教育を施します。

さらに、それと並行して、日本の契約先の監理団体(組合)を通じ、実習生の受入れを希望する企業と人材を

マッチングさせ、日本に実習生を送り出し、実習期間が終了するまで母国側の窓口としてサポートする役割を担います。

 

送出機関は、派遣手数料や事前教育手数料などの支払いを志望者に求めます。

この支払い金額は、日本へ実習生の送出が可能な国により、異なる上限が定められています。

例えば、中国やカンボジアなどは上限設定なし、ベトナムの場合は3年契約で3,600アメリカドル以下と定められている

一方、フィリピンは、斡旋料の負担については基本的にゼロ円となっています。

 

〇 支払い費用と借金の実態

出入国管理庁(入管)は、2021年12月から2022年4月にかけ、

ベトナム・中国・インドネシア・フィリピン・ミャンマー・カンボジアの6カ国約2,200人の技能実習生を対象に、

技能実習生の支払い費用に関する実態調査が行われ、先日その結果が公表されました。

 

『技能実習生の支払い費用に関する実態調査について(結果の概要)』出入国管理庁

https://www.moj.go.jp/isa/content/001377366.pdf

 

結果によると、来日前に母国の送り出し機関に何らかの費用を支払っている技能実習生の割合は85.3%。

派遣手数料、事前教育手数料、保証金などの名目で、総額の平均(日本円換算)は約52万1,000円にのぼるとの事です。

国別平均の最高は、ベトナムの約65万6,000円。最も低かったのはフィリピンの約9万4,000円でした。

 

また、ベトナムなどの場合、一部で送出機関以外の仲介者が「紹介料」などの名目で実習生に

費用の支払いを求めるケースもあり、調査対象の内、11.5%の技能実習生が実際に支払ったとの事。

その平均額は約33万5,000円でした。

 

そして、来日前に母国で借金をしている技能実習生の割合は54.7%。

国別でみるとカンボジア(83.5%)、ベトナム(80.0%)が高くなっています。

一方、借金の平均額はベトナムがトップで約67万4,500円、次いでカンボジアが約56万7,000円となっています。

 

送出機関への支払い上限が設定されていても、実際は半数以上が高額な借金を抱えて来日しているという事実が改めて浮き彫りとなりました。

平均月収が日本円にして2~3万円のベトナムやカンボジアにおいて、50万や60万という借金額がどれほど莫大なものか、

想像に難くありません。

 

技能実習生は実習先企業とマッチングする際、企業より給料額の説明を受け、

借金返済や仕送りが無理なく可能か算段します。その上で企業と契約を結ぶわけですが、

今回の調査で、実際に受け取った給料額が「期待より少ない」と、約21%の実習生が回答しました。

 

「期待より少ない」の理由は、「期待したよりも残業や休日出勤が少ない」との回答が約63%、

「日本での給料の支払方法(税金や保険などが差し引かれること)を知らなかった」との回答が約33%という結果

となりました。

 

この給料額に対して抱く来日前と来日後のギャップは、借金が思うように返せず母国の家族へ仕送りが出来ない事に

つながり、技能実習制度における最大の問題として取り沙汰され、国際的にも批判の的になっている

「実習生の失踪」の原因の一つとなっています。

 

〇 今後の課題

技能実習制度の抜本的な改革にあたり、国が実習生の借金問題にも注目しているという事は、

この、実習生が借金を背負わざるを得ない現行の仕組みにも着手することになると予想されます。

 

この状況を打破するため、「特定技能制度」では2019年の開始当初、中間搾取が解消されるよう、

母国の送出機関を介在させることなく、日本の事業者が直接、外国人を採用することもできる仕組みであることが強調されていました。

 

ところが、2019年8月にカンボジアが、2021年1月にはベトナムが、特定技能人材を日本で送り出す際にも

それぞれの政府が認定する送出機関が介在することを義務化しました。

つまり、技能実習生の送出とほとんど同様の形となり、技能実習ではなく、

特定技能の志望者であっても送出機関への手数料支払いが発生することになったのです。

 

日本政府は、特定技能制度の拡充により、人材確保の打開策を技能実習から特定技能へシフトさせる方向へ進み始めました。

技能実習制度の存在意義からすれば、この流れが正しいことは間違いありませんが、

「不当に高額な借金を負って来日する」という論点に着目すると、

果たして特定技能へ移行して大正解という結果になるのか。

送出国との間でどこまで協議し、着手できるかにかかっています。

 

しかし、政府がどのような策を講じるにせよ、実際に受け入れる企業側としては、

給料額や勤務条件について契約前に正直かつ丁寧に説明し、来日後も相談や質問があれば、

そのつど真摯に対応する等、安心して働いてもらえる環境作りに注力することが必要不可欠です。

 

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